旅行のための医学
旅行医学入門
「旅行医学」という言葉は、はじめて見る方が大部分ではないでしょうか。「旅行」という網をかけて、旅行に関連する病気やケガを防いで多くの方に安全な旅を提供する新しい分野が旅行医学です。
既にご存知のスポーツ医学は、「スポーツ」という網をかけてスポーツに関連するケガや病気の予防、治療を扱う20数年前に誕生した分野です。一方、旅行 医学は、12年前に欧米の医師を中心に誕生した新分野です。スポーツ医学が20才を越えた大人であるのに対し12才の旅行医学はまだまだ成長段階です。
既にご存知のスポーツ医学は、「スポーツ」という網をかけてスポーツに関連するケガや病気の予防、治療を扱う20数年前に誕生した分野です。一方、旅行 医学は、12年前に欧米の医師を中心に誕生した新分野です。スポーツ医学が20才を越えた大人であるのに対し12才の旅行医学はまだまだ成長段階です。
日本の旅行医学とは?
アメリカのスポーツ医学は、アメリカンフットボールのケガの予防がメインテーマでした。日本では、野球のスポーツ医学がメインテーマで、日本独特の柔道
のスポーツ医学、剣道、そして相撲のスポーツ医学もあります。このように「スポーツ医学」といっても、アメリカと日本では内容が大きく異なり、これは「旅
行医学」でも同じことが言えます。つまり、アメリカの旅行医学では、旅行者1,500万人中800万人がメキシコを含む中南米の熱帯地方に出かけるための
熱帯病に重点がおかれていますが、これをまねたのか、日本でも旅行シーズン前の新聞には「マラリアに気をつけよう!」「生水、下痢に注意という熱帯旅行医
学の注意が見られます。マラリア、生水、下痢はインドやアフリカに出かける少数の日本の海外旅行者1600万人中8万人へのメッセージです。多くの日本人
旅行者が出かけるハワイ、アメリカ、ヨーロッパなどの旅行で実際に必要とされている日本の旅行医学は次のようなテーマが中心となります。
予防医学としての旅行医学
海外で日本人旅行者が直面する医学的問題とは何なのか、現状を把握する必要があります。
飛行機の中の旅行医学
日本からアメリカ、ヨーロッパ、オーストリアなどへは片道12時間、往復24時間、ハワイやシンガポールは片道7時間、往復14時間の長いフライトになるため正しい知識はすべての旅行者に必要です。
中高年の旅行医学
日本人旅行者の死亡者数の統計からも、中高年の脳卒中と心筋梗塞対策が求められています。
糖尿病の旅行医学
40才以上の10人に1人が糖尿病であるといわれる今日の日本では、糖尿病の旅行医学も必要です。
高山病の旅行医学
スイス、ヒマラヤのトレッキングはもちろん、いきなり高度3,000メートルにある空港に着く南米へのツアーでの高山病対策もますます重要になってきました。
障害者の旅行医学
バリアフリーということで、近年盛んになった障害者旅行(車イスの旅行、人工透析旅行など)も、大きなテーマのひとつです。 高齢障害者ツアーのサポートもますます必要とされるでしょう。
心臓病手術の旅行医学
ペースメーカー装着の方のサポートについて。
STDの旅行医学
エイズ、B型・C型肝炎対策としてのSTD(性感染症)の旅行医学は留学生や若者に必要な分野です。
クルーズの旅行医学
最近盛んになりつつあるクルーズは、参加者に70才以上の方も多く、クルーズ独特の医療問題が海外では研究されています。
法的責任と旅行医学
旅のトラブルに関する旅行医学の法律的側面も無視することはできません。
VIPの旅行医学
海外では政府の要人、企業のトップ、エグゼクティブなどの旅行の安全を扱うVIPの旅行医学がありますが、近い将来日本でも必要とされると思います。